まつたけのブログ

世界の片隅で愛を避ける孤独なキノコの魂の叫びを聞け!…聞いてください(◞‸◟)猫とマンガとアニメと嵐をこよなく愛するまつたけによるまつたけのブログ

しゃっくりを止める方法

ガチで宇宙で一番簡単で効果的なしゃっくりの止め方を教える。

なんかさっきたまたま話題になっていた「簡単なしゃっくりの止め方」みたいな記事を読んだら、どこかの発明家の発明したというしゃっくり止め器(?)を口に咥え、その状態でコップ一杯の水をゆっくり飲み込んで安静なまま数分間その状態をキープすると…ほら、しゃっくりが止まってる!・・・ってめんどいわ!

めんどいしそんな道具に依存するような方法でどうするんだよ!しゃっくりをなめるんじゃないよおおおお!!!!!!!きえええええええええ!!!!!!(※特に意味のない威嚇的な悲鳴)

一番簡単にしゃっくりを止める方法

あいつ(しゃっくり)はどこで襲いかかってくるかわからないんだよ!!!?外出先でしゃっくりが出たらどうするの????学校や会社に毎日しゃっくり止め器を持っていくの????持っていったとして友達や先生や上司や取引先の目の前でしゃっくりが出たとき、あんたほんとにそのしゃっくり止め器を使えんのかい!!!?きえええええええええ!!!!!!!!(※特に意味のない威嚇的な悲鳴)

初めての彼氏との宿泊旅行♡かわいいおぱんちゅ、これがなきゃ眠れないあたしのマイ枕(笑)、お気に入りのぬいぐるみ・・・本当はどうしてもなきゃ困るってものでもないけれど、旅先にまで枕やぬいぐるみを持っていかずにはいられないあたしのあざとさかわいさに彼氏もキュンキュン、男なんてどうせみんなバカだからこれであたしのとりこ間違いなし!

でもひとつだけ困ったことがあるの・・・。あたし、とってもしゃっくり体質なんだけど、旅先でしゃっくりが出たらどうしよう(うるうる)。こないだネットで注文したしゃっくり止め器を持っていっても、たとえば山頂で彼と美しい景色を見ているとき(もちろんそのとき彼が本当に見ているのは美しい景色に見とれている感じを演出している私の横顔の美しさに違いないんだわ、どうせ男なんてみんなバカなんだから)、急にしゃっくりが出たらどうするのよ~!!!!こんなの口に咥えてたら台なしじゃな~い!!!!(#>д<)ノ(ぷんぷん!!!!)

あるいは宿泊先の旅館で(ホテルとかださいよね。旅先のエロスは旅館にありだよね、ぶっちゃけカップルで旅行とか旅先でのエロスがメインの目的みたいなもんだよね!)どうせ男なんてみんなバカだから早くあたしの体に手を伸ばしたくてうずうずしてるのを我慢している彼が、まだそんな気ないふりで今日行った場所の感想を振り返っちゃったりしてるときに(でもそのセリフさっきも言ってたわよ…)、急にしゃっくりが出ちゃったらどうすんのよ~!!!!

急に彼女が話の途中で「ちょっとごめん」とか言って変な道具を咥えながらコップの水をゆっくりとのみくだし始めたら完全にドン引きされちゃうじゃない!!!!たとえあたしの美貌をもってしてもドン引きされちゃうじゃない!!!!その後ふとんに入ってからの硬さにかなり影響しちゃうじゃない!!!!

・・・シチュエーションの想定にびっくりするくらい完全に迷い込んでたけど、あんた本当にそういうシチュエーションになってもそのしゃっくり止め器を使えんのかい!!!?ええ!!!?どうなんだえ!!!?きええええええええええ!!!!!!!(※特に意味のない威嚇的な悲鳴)

簡便性、現実性、効果性の面で多くの難があった従来のしゃっくりを止める方法

でも安心してほしい。ここまで読んだ人は完全にこの文章に言いようのない不安を覚えているとは思うけど、僕のしゃっくりの止め方は釣りでもなんでもなく、本当に宇宙で一番簡単で効果的、かつ現実的なしゃっくりの止め方だという自信がある。

なんだったら今までの頭おかしい文章のことは全部忘れてここから読んだことにしてほしい

あと時間のない方や今すぐしゃっくりを止めたくてしかたのない方もなにしろここまでの文章は全部無駄なのでここから読み始めてほしい(えっ?そういうことはもっと早く言え?バカ野郎!俺もそれ思ったわwwwwwwwwwwwwww

僕の宇宙一簡単にしゃっくりを止める方法の最大にして圧倒的なまでに有利な点は、それが道具(器具や水なども含む)を必要とせず、また他人も必要とせず、そして苦しんでいるのに時間を必要とするようなものでもないということだ。

また、そのしゃっくり止め器にかぎらず、これまでしゃっくりの止め方とされてきたようなものは、それが迷信やおばあちゃんの知恵袋的なものであれ、科学的なメカニズムに基づいたものであれ、どれもこれも現実性の低さには呆れたくなるような方法が多かった。

一般的なのは鼻をつまんでコップの水を飲み干すとか、他の人にびっくりさせてもらうだとか、限界まで息を止めるなどの方法だろうか。

いずれにせよ、道具や水を必要としたり、他者を必要としたり、苦しかったり時間のかかる方法論ばかりだ。使用可能なシチュエーション自体かなりかぎられてくると言わざるを得ない。

しゃっくりの大きな脅威のひとつはその不意討ち性である。いつどこでしゃっくりが起こるかわからない。かつて大人数が集まる真面目な集まりの場でしゃっくりが止まらなくなって今すぐに宇宙から消滅したいほどの恥ずかしさを味わった人もいるという。・・・僕だよ!

宇宙で一番簡単で効果的、かつ現実的なしゃっくりの止め方を教える

だが僕の宇宙一簡単にしゃっくりを止める方法であれば、そういった問題も一切ない。つまりごく簡単にいえば従来のしゃっくりの止め方とされてきた方法のような欠点だらけの不確実な方法ではなく、これまでの方法の一切の欠点をなくした、完璧なしゃっくりの止め方だと思ってもらえればいい。

この方法を考案するまでにかかった時間は5年以上にもわたり、その間僕はほとんどエロいこととしゃっくりのことしか考えずに日夜しこしこ研究に励んだものだ。

研究のために注ぎ込んだ金額もとんでもない額に上り、コミック、パソコン誌、ビデオ、DVD、ゲーム・・・これまで僕がエロのためにつぎ込んだ金額は軽く数千万(※単位はウォン)はかかるだろう(あれ?しゃっくり対策どこ行った???)

私は悩みました。果たしてこの方法をいくらで提供するべきか?一千万?二千万?いえ、これさえ手に入れればこれまでに私が費やしてきた膨大な時間を費やさずに永遠にしゃっくりの苦しみから解放されるのですから、それを考えれば三千万くらいが妥当でしょうか???

しかし私は思いました。この方法はごく一部のすでに成功した人のためにではなく、今まさに苦しんでいるひとりでも多くの人に知ってほしいと。今でこそ赤坂だ新宿だ六本木だといっては、夜な夜なクラブでパーリナイなきらびやかで華やかな毎日を豪遊している私ですが、私自身もかつては爪に火を灯すような苦しい生活をしてたのです。

そんな私だからこそ、迷っているあなたの気持ちがわかります。そこで、今回は特別提供価格54800円発売記念期間限定特別提供価格29800円ででご提供いたします!!!!!(え~!!!!やっす~い!!!!!

・・・みたいな感じで情報商材にして販売すれば、僕はただちに今の苦しい生活を脱出することができるどころか第二の与沢翼、いや、むしろ秒速で億を稼ぐ与沢翼ごとき目じゃないくらいの秒速で兆を稼ぐ(※単位はトルコリラ)ような大成功を収めることも可能なのだけど、やはりいかに価値ある情報でも、お金がかかるということになると手が出せないだろうと考え、今回は特別に秒速で兆を稼ぐ!プロダクトローンチを超えた驚異の販売手法S.A.G.I宇宙一簡単にしゃっくりを止める方法、そのすべての手法をこのまつたけのブログ読者の皆様に完全無料で全公開することとする。

あまりに簡単すぎるゆえ信じられず試されさえしない宇宙一簡単なしゃっくりの止め方

結論、つまり本当に宇宙で一番簡単なしゃっくりの止め方、その方法論だけを書いてもいいのだけど、人間というのはおかしなもので、難しいこと、複雑なことはありがたがってすぐ信じるくせに、簡単なこと、簡単だけれどそれこそ本当に効果的なことには最初からバカにして目を向けない傾向にある。・・・愚か者どもめ!

実際、しゃっくりで困っているようなのでよかれと思ってかつて指導してきた人たちからは、本来であればあってしかるべきはずの「まつたけさん!本当でした!一瞬でもあなたを疑った私がバカでした!今ではおかげでしゃっくりの苦しみからも解放され、以前はしゃっくりが不安で積極的になれなかった恋や遊びにアクティブになることができました!今度は思い切ってまつたけさんを誘っちゃおっかな?・・・な~んて(笑)本当にありがとうございました!」と言ったちゃめっ気たっぷりの感謝報告といったものが一切届かないのである!!!!バカめ!!!!バカバカバカバカめ!!!!!どうして誰も僕を遊びに誘ってくれないの????(☍﹏⁰)

というわけで、僕の宇宙一簡単にしゃっくりを止める方法が真に本当に使える効果的なものであるからこそ、そのあまりに圧倒的な簡単さゆえにないがしろにされ、ややもするとインチキと決めつけられて簡単な方法であるにもかかわらず一度も試されもしない、といった本当に愚かなことになってしまいがちなため、簡単にではあるが僕がいったいどれほどの苦労と修練の果てにこの最終秘奥義とも言える宇宙で一番簡単なしゃっくりの止め方を会得しえたのかについて説明したい。

いかにして僕は宇宙一簡単にしゃっくりを止める方法を編み出したのか?

別にみんなから同情されたくてこんなことを言うわけではないのだが、僕は生まれつきの異常しゃっくり体質で、なんでも1億人に1人とも1億年に1人とも伝説の超サイヤ人とも言われているその先天性めちゃんこしゃっくり出るやんけ症候群という奇病、難病に冒されていた僕は、産まれたとき医師に「この子の命は長く保って90年から100年・・・無理がたたれば80歳前の可能性もあります」と余命宣告をされていたほどで、お腹を痛めて産んだばかりのわが子の残酷な運命に、当時母はずいぶん泣いたようだ。

母と二人三脚での先天性めちゃんこしゃっくり出るやんけ症候群との戦いの日々

 幼稚園に通うようになってからも先天性めちゃんこしゃっくり出るやんけ症候群の激しい発作にはまわりの園児たちも気味悪がり、あるいはおそれ、泣き叫び、ときにはおしっこをもらし、やさしかった保母さんの擁護のかいもなく、僕は(というか幼稚園側と僕の母は)園児の保護者たちから徹底的に的にされ、伝染るような病気ではないにもかかわらずそういった言葉を使って責められ抜いた。

最後は身を引く形で僕は幼稚園を退園して毎日家の中で過ごすことになったのだが、当時仕事のストレスの大きかった父は酒量も増え、次第にしゃっくり発作を起こすたびに僕に暴力を振るうようになった。

家庭は崩壊し、僕を連れて父と別れた母は人目を避けるようにして田舎の山麓の小屋のような小さな家で暮らし始めた。

貧しかったがそれは僕にとっては久しぶりに訪れた静かで安らかな時間だった。だがしかし母にとってはそうではなかったようだ。

連日の度重なる先天性めちゃんこしゃっくり出るやんけ症候群の激しいしゃっくり発作を僕が起こすたびに、母は「ごめんね!ごめんね!」と泣きながら僕を抱きしめるのだった。僕はそのたびに心の中でその何倍も、何百倍も、母に「ごめんなさい」を言い続けて涙をこらえることしかできなかった。

幼くして自殺を決意して登った山での運命的な天狗との出会い!!!!

十歳になった頃だったろうか、気がつくと別人のように老けてしまっている母の横顔を見たとき、僕はふと死を決意した。このまましゃっくりに苦しみ続けることで、かつてあんなにも美しかった母の人生をもめちゃくちゃにし、この先の人生を生きていてもしょうがないのではないだろうか?どうせ僕の体は長く保ってもせいぜいあと80年か90年…下手をすればあと70年も保たずに死んでしまうはかない運命なのだ。

今思えば甘えだったことがわかるが、当時の僕は真剣にそう思いつめ、僕の隣で疲れたような顔で眠る母にふとんをかけると、そのまま音を立てないようにそっと家を抜け出した。

僕はまっすぐに山奥に向かって登りはじめた。探されるだろうことはわかっていたけど、見つかる前にどこか適当な場所を見つけて死ぬくらいの時間はあるだろう。そう思って入っていった山で、僕はたしかにある意味でそれまでの僕としては一度死に、新しく生まれ変わるかのような、そんな運命的な出会いを果たすのだった。

正確に言うと、僕が出会ったのは全裸の天狗だった。なぜ僕が天狗だと思ったかというと、その存在は全裸だったけど顔の部分には天狗のお面をかぶっていたからだ。そしてびっくりして口も聞けないでいる僕に向かってこういったからだ。「あ、私天狗だから!不審者じゃないから!露出狂の変質者とか、ほんとそういうんじゃないから!

そのあと続けざまにお母さんはどこなのかとか、通報だけはしないでほしいとかいろいろ言っていた気もするけれど、僕ははじめて会った天狗という人智を超える存在(なにしろそれは全裸だったのだ!)を前にして、自分が死のうとしていたことも忘れて気がつくと自分の身の上を洗いざらい話していた。今思えば本当は僕も、すでに十分すぎるほど苦しんでいる母には打ち明けられなかった僕自身の胸の内を、誰かに聞いてほしかったのだろう。

最初は「お母さんには内緒にしてもらえないだろうか?」とかよくわからないことを言っていた天狗も、次第に僕の話を聞いているうちに「うんうん」とか、最後の方は完全に「うむ!」とか、明らかに風格というかキャラ設定に変化が見られたような気もしたけど、やっぱり僕はこの人は天狗だったんだと思った。

話を聴き終わった天狗は言った。「お前(さっきまで君とか僕だった二人称はこの頃にはお前になっていた)、病気、治したいか?」

現代医学からも不治の病と見放された先天性めちゃんこしゃっくり出るやんけ症候群を治すだなんて、そんなこと考えたこともなかった僕だけど、今死のうと思って分け入った山奥で全裸の天狗に遭遇しているというこの上もなく劇的なシチュエーションが僕を夢中になってうなずかせていた。

「そうか、だが、そのための修行は本当に厳しいぞ、覚悟しておくことだ!・・・あ、あとそれからお母さんとかほんとに大丈夫なの?通報とかしない?・・・ちょっと君からやっぱり問題ないことだけでも伝えておいてあげたほうがいいんじゃないかな?くれぐれも警察とかは呼ばないようにって」という、人間界の心配までしてくれる心優しい天狗のアドバイスに従い、僕は「心配しないでください。僕は必ずブロリーを超える伝説の超サイヤ人になってみせます先天性しゃっくりめちゃんこ出るやんけ症候群を克服してみせます。お母さんも僕のことは心配せずしあわせになってください」と書いた紙を家に投げ入れ、そしてその日から僕と天狗のマンツーマンでの修業の日々が始まったのだった。

ヒステリックな全裸の天狗との厳しい修業の日々!!!!

最初は腕立てや腹筋、スクワットといった内容で拍子抜けしてしまったが、それを指摘すると「何事においても肝心なのは基礎体力なんだよ!素人がいちいち専門家の天狗様に口答えするんじゃないよおおおお!!!!!きえええええええ!!!!!」と特に意味のない威嚇的な悲鳴を交えながらヒステリーを起こしたように叫んだので、僕はなにを言っても無駄だと判断し、おとなしく従うことにした。

満足したのか天狗は「服を着るのなんてもう20年ぶりくらいだなあ・・・」などと小さくぼやきながらどこかへ消えていった。それからしばらくして急に修行のレベルがあがり、滝行や印を組んでの真言詠唱など、いかにも本格的な修行っぽい感じになったが、それは決して天狗が僕に隠しているつもりでこっそり買ってきた「サルでもわかる修行入門」、「おまじない大全」、「修験道入門」、「よくわかる般若心経」、「実践!真言密教」といった書籍のせいではなく、すべてを知り尽くした天狗が僕に基礎体力がついてきたのを見て段階的にステップアップしてくれた結果なのだろう。

そしてそんな修業の日々が五年以上も続いたある日、ふと気がつくと僕はすべての修行法のカリキュラムにおいて天狗をはるかに圧倒している自分に気づいた。

腕立てや腹筋、スクワットといった基礎体力訓練はそれぞれ1000回でも2000回でも軽々とこなせたし、滝行は真冬の滝の下でも定(※強力な精神集中状態のこと)に入れば2時間でも3時間でもいくらでもしていられた(あるとき天狗がそんな僕を見て小さく「化物め!お前は人間じゃない!」と言っている声が聞こえてきたが、僕はそれをこれで僕もようやく天狗らしく成長してきたことを認めてもらえたということなのだろうと解釈した)。

その頃には僕は天狗に教わったあらゆる真言や経文、祝詞の数々を完全にマスターし、そのたびに天狗は「また服を着なくてはいけない。一体何のために山に入ったと思っているんだ・・・」などとよくわからないことをブツブツ言いながら山を降りていき、世界中から新しい書籍を取り寄せ続け、東洋の神道や仏教、道教のあらゆる修法はもちろん、ユダヤ教のカバラの秘奥にまで達し、旧約聖書に隠された真の教えまでもが自在に読み解けるようになった頃、天狗は僕を呼んで言った。

すべての修行を終えたとき、今明かされる天狗の驚愕の秘密とは!?

「うん。よし!今日までよくがんばった!でもがんばったのはお前だけじゃないから!俺だってめっちゃがんばったかんね!でもなんかもうつきあってくのに疲れたんだよね。もう十分だと思うんだ。・・・まあなんだっけ?君のおかしな病気?まだ治ってないみたいだけど、もういいんじゃないかなあ?・・・とにかく私はもう山を降りることにするよ。君の修行にはもうこれ以上つきあいきれないし、それに服を着て何度も街に出ているうちに、なんとかもう一度社会でやり直せるような気がしてきたからね!」

そうして言いたいだけ言った天狗ははじめて僕の前で天狗のお面を外すと、すっかりただのおっさんの顔をした天狗、いや、ただの露出狂の変質者のおっさんは、それを全裸の股間の部分へと持って行き「これが私の本来の姿だ!」とやけくそになったように叫ぶのだった。そして「お互いバカな真似はもうやめて、これからはまっとうに生きようじゃないか!」と言うと、少し名残惜しそうに天狗のお面を僕に渡すと、そそくさとパンツを履き、身支度を整えると一目散に山を駆け下りていった。

僕は天狗のお面を叩き壊した

そう、まさにこのときである!僕が「なにが『お互いバカな真似はやめて』だよ!バカはおんどれだけじゃ!!!!この変態露出狂野郎が!!!!!」と怒りに震えながら天狗のお面を叩き壊したその瞬間なのである!僕が5年以上にわたる厳しい修行の果てに、ついに宇宙で一番簡単なしゃっくりの止め方に開眼したのは!!!!そして開眼した僕は叫んでいた。「修行関係ねえじゃねえか!!!!!!!!」僕は割れて散らばった天狗のお面を粉々になるまで踏み砕いた。

宇宙で一番簡単にしゃっくりを止める方法

というわけで、ここからが本当に宇宙で一番簡単なしゃっくりの止め方の説明部分である。もちろんみなさんには僕が耐えてきたような血のにじむような難行苦行の数々も一切不要である。

ここまでの文章に完全に不安を覚えているかもしれないが、安心してほしい。僕のしゃっくりの止め方は釣りでもなんでもなく、本当に宇宙で一番簡単で効果的、現実的なしゃっくりの止め方だという自信がある。

なんだったら今までの頭おかしい文章のことは全部忘れてここから読んだことにしてほしい

あと時間のない方や今すぐしゃっくりを止めたくてしかたのない方もなにしろここまでの文章は全部無駄なのでここから読み始めてほしい(えっ?そういうことはもっと早く言え?バカ野郎wwwwwwww俺もそれ思ったわwwwwwwwwwwwwww

今の流れにデジャブを感じたあなた、気のせいです、よくあることだから気にしないことです。

そもそもいいですか、無駄になるかどうかなんて物事の側にはないんです。無駄にするのもしないのも、すべては結局あなた次第なんです。人のせいにして甘えるのはおよしなさい。僕は唯一そのことだけを天狗(の姿をしていたただの露出狂の変質者)のおっさんから学びました。

偶然見つけたしゃっくりを宇宙で一番簡単に止めるその方法とは!?

というわけでここからはめちゃくちゃ短い。僕が人間に想像しうるかぎり、ありうるかぎり最大の怒りと「ふざけんな!!!!!!!!」の想いを込めて天狗のお面を叩き割ったとき、いったいなにが起こったのか?

そう、僕のしゃっくりは止まっていたのである!!!!!!!!!!

それからほんの数日の間、僕は山に残って自ら研究を続けると、ついに誰でも簡単に、道具や水など必要とせず、また自分を驚かせてくれる他人などもまったく必要とせず、自分ひとりで、それもわずか1秒から2秒でしゃっくりを止める秘法を編み出すことに成功し、(ほぼ無駄に)長かった修行を終えた僕は山を降りた(ちなみに天狗のおっさんが残していった修行法の本は全部燃やした。今は呪文も真言もほとんどなにも覚えていない)。

母よ、どうかしあわせでいてください ~強く儚い者たち~

久しぶりに山を降りると、かつて僕の家があったはずの場所にあの小屋はなく、代わりに三階建ての豪邸が建っていた。一瞬嫌な予感が頭をよぎったが、あわてて覗いてみると懐かしき母がその家で暮らしている姿が確認できた。

たしかに僕は「お母さんも僕のことは心配せずにしあわせになってください」という書き置きを残してきたが、どうやら母はお金持ちの若い男と結婚したらしく、本当に僕のことはともかくしあわせに暮らしているようだった(人間とは強いものである)。

しかもその若い男というのがなかなかどうして熟女好きよくできた人間のようで、母は愛されているのであろう、家を出るときに最後に見た顔よりもよっぽど若々しく、そして美しく見えた。

さらに、しあわせそうに笑う母の腕の中には、やはりしあわせそうに笑っているかわいい女の子の赤ちゃんの姿があった。

気がつくと僕は頬を涙で濡らしながら、心から母を祝福した。そして、結局母にはなにも告げずにそのまま姿をくらまし、今こうして「宇宙で一番簡単なしゃっくりの止め方を教える」という文章をブログに書いている。

母と、そして妹のために宇宙で一番簡単にしゃっくりを止める方法を公開する

お母さん、僕はあなたの子供でよかった。あなたの子供に生まれてよかった。そして、言うなればこの文章はあなたの娘さんの、いえ、言わせてもらえるなら僕の妹でもあるその子の、誕生祝いでもあります。

この文章がお母さんに届き、僕が無事に生きていること、不治の病とおそれられ、かつて僕たちをあんなにも苦しめた先天性しゃっくりめちゃんこ出るやんけ症候群も克服し、そして数万年以上の長きにわたって人類の誰もが苦しめられてきたしゃっくりの悩みや苦しみから金輪際永遠に解放される簡単な方法をも編み出し、今もたくましく生きているということ、それをあなたに伝えたい。だから安心して、お母さんもしあわせになってくださいということを伝えたい。…まあ言われなくてもとっくにしあわせになってるみたいだけど、僕はあなたを間違っても恨んでなんていないし、祝福していますということを伝えたい。

そしてその子、僕の妹でもあるその子が成長し、学校や職場で不意のしゃっくりに襲われたとき、あるいはいつか好きな相手ができ、初めて彼と宿泊旅行をして旅先の山頂や宿泊先の旅館で突然のしゃっくりに襲われたとき、妹が友達や彼氏に怪しまれることもなく、素早くしゃっくりを止めて友達や彼氏と素敵な思い出をつくれるように、僕は今この宇宙で一番簡単なしゃっくりの止め方を世界中に公開します。どうかあなたたちのもとまで届きますように。

ーーーーーーーーーーーーー↑ここまでが前書き(10007字)↑ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー↓ここからが本題↓(146字)ーーーーーーーーーーーーーーーー

しゃっくりに苦しむ人に朗報!宇宙一簡単にしゃっくりを止める方法

しゃっくりが出るでしょ?そしたらすぐに(しゃっくりが2回出る以内に)右手の親指を内側に握りこんで、その拳を上下に大きくブンブンブンと3回振ってみ?しゃっくりが止まるから。

コツがわかればそんなに大きく拳を振る必要もないし、3回小さく振るだけで一瞬でしゃっくりが止まるよ!ぜひお試しあれ!☆彡

それでも止まらないとき?結局最後は薬だよね。こんなブログ読んでないで早く薬飲んでお大事にどうぞ。               ―完―


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ネットに向いてないのにネットにしか居場所がない

ネットに向いてないのにネットにしか居場所がない。

なんでネットに向いてないのにネットにしか居場所がないのかというと、リアルにはもっと向いてないしもっと居場所がないからだ。つらい。人間やめたい。

そう思ったあたしは8年前首を吊った。ぐえっ。あたしは死んだ。

誰にも発見されなかったあたしの首吊り死体は少しずつ腐乱していった。そしてあたし―かつてあたしだったあたし―の頭からキノコが生えてきた。それが今のあたし

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はじめは自殺に失敗して目を覚ましたのかと思ったけど、腐りかけた体とその腐敗臭の前に、少しずつ事態を認めないわけには行かなかった。

死体の手も動く、足も動く、ものも見える。でもなんだかそれは自分の目や手足ではなくて、ちょうど巨大ロボットの操縦席からロボットを操ってロボットを動かし、操縦席越しに世界を見ているような感じがする。

でもまあこうしてキーボードを打たせて文章を書くくらいのことはできる。そんなわけであたしはかつてあたしだったあたしの腐乱しかけた死体をボディとしてそのまま使っている。最初は少し苦労したけど、今では死後硬直して固まったままの指でのタイピングもずいぶん速くなった。

夏場はちょっと油断すると腐敗が進んで死臭がひどいから、最近涼しくなってきてやっと少し安心したところ。それでもエアコンは欠かせないし、さすがにそろそろ次のボディを探さないといけないかもしれない。

もともと友達も恋人もいなかったし、家族とも不仲だったけど、こうなってからは完全に絶縁した(というか、単に完全に連絡を絶った)。さすがに死体になってしまったら誰とも会うわけにはいかないし。短い時間なら香水を浴びるようにかければ死臭はごまかせるかもしれないけど、生気がない、というより物理的に腐りかけた眼の光まではごまかせるはずもない。

でももともと人間嫌いで誰とも会ったり話したくなんてなかったし、ほとんど引きこもってばかりの生活だからそんなに不便は感じない。

もちろん最初はこんな生活―これが生活と呼べたらの話だけど―すぐに受け入れられたわけじゃない。なにしろもともとあたしは死のうとしていたわけだし。いや、違う、たしかにあたしは一度は死んだのだ。

人としてたしかに一度死んだあたしが、キノコとして生まれ変わって、しばらく(多分半日か一日かそのくらい)茫然とした後、最初にしようとしたことは二度目の自殺だった。

あたしはかつてのあたしだった体を使い、今のあたし、つまりかつてのあたしの死体の頭に生えたキノコをブチッと嫌な音を立てて引っこ抜いた。

かつて人間として自殺したときの感覚が少しよみがえりかけたけど、それはまるで意識が引き裂かれるみたいな感覚だった。でもやっぱりあたしは死ねなかった。正確に言うなら、あたしは再びかつてあたしだった人間の死体の頭に新しく生えてきたのだった。

あたしはあたし自身を使って何度もあたしを殺そうとした、いや、たしかに何度も殺したのだ。

あるときは引き裂き、あるときは思い切り握り潰し、またあるときはグラグラと煮えたぎる熱湯をやかんから自分の頭に―かつて自分だった人間の頭に―生えたキノコにじょぼじょぼ注ぎかけた。

でも死ねなかった。正確に言うなら殺しても殺しても、またあたしは新しく生えてくるのだった。

記憶を失うこともなく、あたしはあたしを殺したあたしとして、自殺したはずのあたしとして、自分の存在を否定し、何度も殺し続けたあたしとして、あたしは死に続け、生まれ続け、死に続け、そしてまた生えてきて、それを数十回、あるいは数百回、ひょっとするともっと数えきれないくらい繰り返した後で、ついに生きることにも死ぬことにも絶望したあたしは、今、単により苦痛の少ない選択の結果として、つまり死ねないことの絶望をこれ以上味わうことの苦痛を避けるために、こうして生きることを選んでいる。

生きる?自分でも笑ってしまった。今のあたしが本当に生きているなんて言えるのだろうか?

意識はある。感情もある。でもあたしの体―つまりかつてあたしだった人間の死体―に感覚なんてあるはずもなく、文字通りの意味において血も涙も流れてはいない。

不意に悲しみだか切なさだか、あるいは寂しさだかに襲われることはあっても、騒いだり痛んだりする胸もなければ、こぼれる涙もない。ただ誰かがドアを叩いて、誰かと思ってドアを開けるとすでにいなくなっているような、それが誰かも、なんの感情だかもわからないような、なんだかそれはまったく快感を伴わないオーガズムのような不思議な感じがした。

もちろん人間の頃のような形での性欲もない、食欲もない、睡眠欲もない。

だからいかなる意味においても性行為はしない。食事はしない。かつて人間だった頃のような睡眠もしない。ただし、睡眠の代わりにまったく人間の睡眠とは異なる意味、異なる質を持った、でもやはり言葉にすれば睡眠としか言えないような状態にはなる。ある意味ではそれが今のあたしにとっての眠りであり、食事であり、性行為ですらあるのかもしれない。

夜。私はふとんがわりの冷蔵庫の中で小さく丸まっている。こうしているとなんだかここがあたしの棺桶みたい。ほんとはもうあたしはやっぱりあのとき死んでいて、今こうしているのはあたしのお墓の下なんじゃないかしら?

でも、そんなふうに考えること自体がどうしようもなくあたしの存在を証明してしまうのだった。我思う。故に我あり《コギト・エルゴ・スム》忌まわしい言葉。デカルトなんて大嫌い。

そんなふうに毒づいて見せながらも、あたしは夜のこの時間が一番好き。こういうのを思惟というのかしら、こんなにも考えることに純粋に没頭し、陶酔することは生きていた頃は―少なくとも人間として生きていた頃は―ついぞなかったことだ。静かで、集中をはじめた意識の背景に遠くから聞こえてくるような、冷蔵庫のブーンという音だけがあたしの死体の鼓膜を震わせ、それはまるで美しいマントラのようにあたしを瞑想的な意識へと導く。

これが今のあたしの眠り。もちろんあたしの肉体はすでに死んでいるのだから眠るというのは体のことではないのだけど、あたしの意識、純粋精神ともいうべきそれは、深い眠りへと落ちていけば落ちていくほど、逆に冴え冴えとした覚醒した感覚へと没入していくのだった。

そしてまるで一瞬とも永遠とも感じられるような時間の後で(というよりその眠りの中にあっては時間というものも自分という感覚さえもないのだけど)、どこか遠くのほうで冷蔵庫のブーンという音が聞こえてきて、あたしは少しずつこの世界とのつながりを思い出して目を覚ます、つまり今やキノコとしてのあたしの自我意識を取り戻すのだ。

それから、子供が起きてもあたたかいふとんからぐずぐずして出られないように、あたしの場合はひんやりと冷たい冷蔵庫の中に―もちろん温度は感じられないのだけど―少しでも長くとどまるべく、今朝もいろいろなことを考えた。

といっても起き抜けに考えることはだいたいいつも同じなのだけど、やっぱりこれは長い夢なんじゃないのかしらってこと。夢の中で夢を見ている夢を見るように、キノコとしてのあたしの夢をいまだどこかで死ねずに生きている人間のあたしが見ているだけなのではないかしら?そう考えて頭に手をやると、やっぱりあたしはキノコで、もし仮にこれが夢の中で見ている夢なのだとしても、少なくともその夢はまだ続くらしいのだった。

いったいぜんたい、神様はどんな目論見、あるいはどんないたずらであたしみたいなキノコの運命を考えたのかしら?それともこれは自殺したことへの罰だとでも言うのかしら?

でもそれなら言わせてもらうけど、そもそもかつて人間だったあたしに自殺するほど苦しい運命を与えたのは、ほかならぬ神様だと思うの。

ネットに向いてないのにネットにしか居場所がない。なんでネットに向いてないのにネットにしか居場所がないのかというと、リアルにはもっと向いてないしもっと居場所がないからだ。つらい。人間やめたい。

そう思ったあたしは8年前首を吊った。ぐえっ。あたしは死んだ。

そう、それもこれも、神様のせいといえば神様のせいなのではないかしら。

神様のせいにしたりして不謹慎だなんて言わないでくださいね、もう生きているかも死んでいるかもわからない、といって天国でも地獄でもない、こんなバカげた今のあたしの状況、一言で言えばキノコとしか言えない状況で、あたしはもういい子ぶるのも信心ぶるのもなにもかもやめたの。

守るような体面だってもうないの。だから誰に気を遣う必要もない。それがたとえ神様にであれ。

それにこうなって気づいたことなのだけど、神様は世の中のあらゆる理不尽、不条理の責任を一身に負うべくして存在しているのだから、神様のせいにすることは正しいの。神様はあらゆる物事において、最終的に人のせい―ならぬ神のせい―にされるためにこそ存在するのだから。

存在する、と言っても、それは今目の前にテーブルがあるとか、その上にコップがある、というような意味で存在するわけじゃないの。

在るか無いか、いるかいないかじゃないの。少し説明が難しいのだけど、いてくれなきゃ困る、という感じに近いのかしら。この宇宙の責任を誰かが負わなければならないの。でもそれは人の身には、それが大統領でも天皇陛下でも絶対にできないことなの。

だからこそ責任は神様に負わせるべきだわ。この宇宙のすべての責任を負うために神様はいるし、いるべきなの。

だからほら、早く責任を負いなさい。責任を負わないのならあなたなんてただの役立たず、迷惑なだけのペテン師も同じだわ。

こうしてあたしは毎日神を挑発する。少なくとも神を挑発しているものと信じている。

本当はあたしは待っているのだ。期待しているのだ。一体全体、なにがどうなってあたしは、世界は、宇宙は、こんなことになってしまったのか?こんなことになるなんて、神様がいるのでなければなんだっていうのかしら?

つまらないジョークにももし救いがあるとすれば、それはそのジョークを言った相手に「ずいぶんつまらないジョークね!」って直接言ってやることよ。つまらないジョークだけが存在して、そのジョークを言った人は誰もいないだなんて、それこそ究極につまらないジョークでしかないわ。

だからきっと神様は笑えないジョークを連発するコメディアンかなにかなのだと思う。

さもなくば神様はやっぱりペテン師ならぬ手品師で、いつかその手品の種を明かしてくれるに違いない。そのときにはあたしがこうなったことも含めて、あらゆるすべての謎や疑問が氷解し、あらゆる悪夢からたちまちにして目が覚めるように、過去も未来も一瞬のうちに救われるの。

だってそうでなかったら、こんな不条理があるはずがないもの。あたしが生まれ変わり、死に変わり、こんなことを考えていることの不条理自体が、いつか必ず、あたしが生まれ変わり、死に変わり、こんなことを考えていることの条理をも説明してくれるに違いない。

さあ、神様が現れる日は今日かもしれない。神様はどんな形で現れるかもしれない。もちろん雲の上のひげのおじいさんなんて、きっとそんな現れ方はしないだろう。

ブログだったり、ツイッターだったり、その中の誰かの、なにげない一記事や、なにげない一文、なにげない一言の中に、その秘密を暗号にして隠しているかもしれない。

だから、さあ、もう冷蔵庫を出よう。そしてパソコンをつけよう。ネットにつながろう。

きっと神様はそこにいる。見つけられるのを待っている。あたしに。

だからあたしはネットに向いてはいないけど、今日もネットにつながらないわけにはいかない。あたしの居場所はネットにしかないのだし、なにしろリアルにはもっと向いてないし、もっと居場所がないからだ。居場所がなさすぎてとうとう死んでしまった。でももうつらくはない。人間なんてとっくにあたしはやめたのだから。

本当はネットになんて誰の居場所もないことも知っている。でもだからこそ、そこは神の居場所《Nowhere-NowHere》にふさわしい。今日こそは見つけ出してやろう。そしてすべての疑問を解き晴らし、あらゆる不条理から解き放たれよう。きっとそのときこそはあたしも死ぬことができるだろう。生きることさえできるだろう。

冷蔵庫を開けると外はもううっすらと明るい。朝だ。冷蔵庫から出たばかりの重たい体を引きずって歩く姿はきっとまるでゾンビみたいに見えるだろう。いえ、今のあたしはゾンビそのものね。

真っ暗闇のような起動前のパソコンのモニターには、腐った死体が映っている。・・・あたしだ。一瞬悲しみにも似た感情が意識に生じたけど、それも痛む胸もなければ、こぼれる涙もない私には定かではない。どっちにしろこんな毎日ももう終わりだ。終わりにするのだ。今日で。今日こそは。終わらせてやるのだ。

あたしはゆっくりとあたしの死体の指を持ち上げ、パソコンの電源ボタンを押した。